
工芸茶が大好きで、ホームパーティーのデザートタイムのサプライズティーでは大好評でした。気に入って頂いた方にはお裾分けしたりしていましたが、その方たちのご自宅での感想をお伺いしても皆さんとっても喜んでおられました。趣味の範囲で楽しんでいた工芸茶でしたので、これを事業にしようと思っていたわけではありませんでした。ビジネスプランを組み立ててみて、その事業としての将来性や可能性、社会への貢献度が面白いなと気付いたんです。このお茶は、私が好きなだけでなく、これを手にした人に感動と幸福を与える、不思議な力を持ったお茶なんだと実感しました。
そして、創業塾の先生より、大阪府の創業支援事業「テイクオフ大阪21」のことを聞き、応募してみることにしました。ここで、担当の先生に事業計画の洗い直しをしてもらいました。ビジネスモデルを具体的な数字に落とし込み、輸入のやり方に関わる手続きなど先生から調べておくように言われた宿題を一つ一つこなして。こうして、事業計画をブラッシュアップしてもらって審査に臨み、無事に事業認定を受けることができました。
主人の会社が中国で会社を立ち上げる時に手伝っておりましたので、中国には出張で行きなれていました。ご縁あって、広州の大学で農芸化学を専攻し、茶葉の研究に携わっていた商社マンと出会い、仕入れ先を調査しました。産地を30か所ほど見学して、安心してお取引ができる仕入れ先を選びました。

はい、工芸茶は福建省と安徽省ですね。安徽省には工芸茶を発案された汪芳生先生がいらっしゃるので、直接伺いました。まさに工芸茶の産みの親という方です。もともと中国茶はカップに直接茶葉を入れ、お湯を注いでそのまま飲むという飲み方が主流なのですが、この飲み方では、茶葉が上に上がってきて飲みにくい、カップを洗いにくいという悩みがありました。これを何とかできないかと、汪先生は茶葉を糸で束ねる飲み方を発案されました。現在の芳生緑牡丹です。これをグラスに入れた姿が牡丹のように美しかったので、おいしく、体に優しく美しい「康芸銘茶」と命名されました。
特級茶葉に付加価値をつけて販売していきたいという思いから、汪先生が発案されたものです。実は安徽省はあまり裕福ではないのです。汪先生は、茶葉に付加価値を付けた工芸茶の技術をみんなに伝えて、お茶に関わるみんなが豊かになれば良いと考えておられます。
私は工芸茶の芸術品としての価値、汪先生のお人柄にひかれて「独占販売権をください」と交渉しました。今から思えば、起業したばかりでよく言ったものだなと思います(笑)。この時は、一笑にふされてしまいました。
ちょっとしつこかったかもしれませんね(笑)。こうして康芸銘茶を扱うことができるようになり、私たちの工芸茶販売の幅が広がりました。契約の時に、「お茶の仕事をする人は人間的に良い人でなければいけない。いいお茶には香りをつける必要はない。この二つを日本でも守ってください。」と汪先生がおっしゃられて、汪先生のお茶を扱う責任感も感じました。
中国産だから不安だと一概に決め付けるのではなく、作り手の信用がどこまで入っているかで商品の価値が決まってくると思います。私も工芸茶が作られる安徽省黄山まで何度も出向いて、製造過程を確認しております。一つ一つ丁寧に手作業で作られた工芸茶を、汪先生の思いとともにきちんとお伝えしていかなければと思っています。また、昨年、私どもにとって大変うれしいニュースが中国より伝えられました。汪芳生さんの康藝銘茶が中国の国礼茶に選ばれ、中国の胡錦涛国家主席からロシアのプーチン大統領に献上されました。その報道が大きく取り上げられ、中国の新華社通信から世界に発信されました。中国で国礼茶に選ばれるということは、名実ともに中国茶の最高峰を極めたことを意味します。これからも今まで以上に自信を持って、日本の皆様にお勧めしていくことができるようになりました。

はい、それまではワイングラスにいれて楽しんでいたのですが、お湯の量が多くなると不安定になったり、グラスが熱くなるなどの問題点がありました。工芸茶をより楽しんでいただけるように、2重構造で熱くなく、フタをかぶせて蒸らすことができるグラスを作りました。目線に近づくように足をつけていますので、茶葉が美しく開く様子も楽しんでもらえます。また、冷たい飲み物を入れても水滴がつかないとホテル様でも大変喜ばれています。
工芸茶の単価を考えますと、扱っていただけるのはホテルだと考えました。会社設立直後に東京ビッグサイトでホテルレストランショーが開催されたので、出展しました。会社設立前に出展申し込みをしたので、ショーの担当者も「間に合いますか?」と心配されていましたね(笑)
この出展で、業界にどのようにアピールできるかがわかりました。そこからホテルへの営業をかけていきました。ホテルブランドの信用力をつけて工芸茶ブランド「クロイソス(Croesus)」を広めていこうと思ったのです。今では、ホテルで信用していただいて直接購入したいとのお問い合わせも増えました。
このロゴマークは主人の友人で家族ぐるみのお付き合いのあるイタリアの老舗アパレルブランド『Landi』の方から御紹介頂いた、イタリア人のグラフィックデザイナーさんにお願いしました。ブランドのコンセプトとして、ヨーロピアンオーセンティック80%にオリエンタルモダン20%を掲げています。より日常に受け入れられて、男性にも選んでもらうようなお茶にしたい、そして、世界に通用するブランドに育てていきたい、そのように思っています。
私の夢の実現です。これまでお世話になった会社でも、お給料をいただきながらいろいろと学ばせて頂きました。新卒で入社した頃はお茶くみ、コピーとりといういわゆる女の子の仕事をしていましたが、自分なりにおいしいお茶の入れ方やコピーをキレイに取る方法を工夫して楽しんでいました。仕事をしている時が一番楽しく、充実感がありますね。
やわらかい雰囲気をお持ちの合田社長ですが、商品へのこだわり、世界を見据えた展開をお聞きしていると事業家としてのスケールの大きさを感じます。お話していて感じたのは、今の環境を楽しみながら自分を確立されていくお姿です。今までの職場は楽しいところばかりだったとお話されていましたが、合田社長の前向きなお気持ち、お人柄が仕事を楽しめる環境を作り出し、周りを引き付けてこられたと思います。
大阪発のブランド「クロイソス」が世界のティーライフの定番となる日が楽しみです。



















