私が見せることができるのはお粥
―今回、薬膳 粥はじめ~ココロとカラダに幸せごはん ~を出版されましたが、この書籍が誕生したのはどのようなきっかけでしょうか?
もともと本を出したいと強く思っていましたが、お粥の本にするのか自分の経験を書くのかテーマがぼんやりしていました。電子書籍の話を聞き、手軽に出版することが出来そうだったので、やってみようと思いました。実際にワークショップに参加してみて、本を出すイメージが具体的になりました。
どのような内容で出版するかということに関しては、お粥のランチを出していたこともありますし、私が見せることができる部分はお粥だと思ったので、お粥をテーマにしました。お粥の本はすでにいくつか出版されていますが、私の専門分野である薬膳をテーマにしたものはありませんでした。お粥と薬膳という切り口なら自分なりにうまくプロデュース出来ると思いました。
楽しみながら開発した39種類のレシピ
―この本では39種類のレシピを紹介されましたが、こんなにたくさんのお粥があるんだとびっくりしました。どのようにレシピを開発し、掲載分を選ばれたのですか。
ベーシックなお粥から、季節ごとの体調に合わせたお粥、漢方のお粥という切り口で食材を選びレシピを考えました。出汁を入れたり、効能のある食材を合わせたりと、これとこれを合わせたら絶対に面白いだろうなと楽しみながら開発しているので変わり種のお粥もあります。今回は最初の書籍だったので、自分が持っているレシピの中で作りやすそうなものを39種類選びました。
オシャレなお粥の写真集
―写真のレイアウトなど画像加工もかなり手をかけておられて、とてもおしゃれな本ですね。
レシピ本というより、パラパラめくっているだけで楽しい本を目指しました。目標とする本があって、こんな風に可愛い感じで作りたいと参考にしました。お粥もオシャレで良いかなと思い、見ていて楽しい、何回も見たくなるような本を作りたかったんです。
―構成、編集、とても練られていてセンスの良さを感じました。細部まで手を抜かずに丁寧にしっかり作っておられることが伝わってきました。
もともと美術を専攻していたんです。最近は、美術からかけ離れていたのですが、レシピ一つとっても、どこにどう空間を持っていったら見やすいかなということをかなり考えました。抜け感や見やすさにはこだわりました。レイアウトも微妙なバランスなのですが、テーマを決めて加工することが好きなんです。春のお粥、夏のお粥とそれぞれのコーナーは関連性を持たせながらデザインしています。自分色のデザインですね。昔々に美術で習ったことが役立ちました。
初めての編集、加工作業に戸惑い、不安に
ただ、編集やデザインをやったことがなかったので、最初はこれもやらなきゃ、あれもやらなきゃと山積みに見えて苦しかったです。GIMPやイラストレーターなど画像加工ソフトを使ったことがなかったので、自分には無理かもしれないと不安になり、誰かにお願いしたいと思ったこともありました。でも、自分が納得できるものを作ることが出来るのは自分だけなので、人に任せずに自分でやらないといけないんですよね。いつになったらできるのだろう、もうダメだと苦しかった時もあります。何枚か加工してみると、1枚を加工するのに何時間ぐらいかかる、それなら39種類でどれくらいかかるという目処がついてきたらスーっとラクになりました。
でも、製作中の1,2ヶ月は悶々としていました。自分が今やっていることは本当に正しいのかと思うこともありましたが、ワークショップで一緒に学んだ方が続々と出版されたので、それが励みになりました。正直、完成した時は、ようやく終わった!という感じでした。
出版して、たくさんの応援を実感
―実際に出版してみて反響はどうでした?
読んだよ!とかおめでとうとたくさんの言葉を頂きました。携帯でフェイスブックを見ているそばから、〇〇さんがシェアしました、〇〇さんがシェアしましたとどんどん広がって、涙が出るくらい嬉しかったです。
出版の2か月前に、あるセミナーに参加して講師の方に「私、本を出すんです」と宣言していたんです。一緒に受講した仲間にも書籍を出しますと宣言しました。出版した時に「出版しました。」とひとりひとりに連絡したら、すごく力になって下さいました。Facebookでシェアして下さって、レビューも書いてくださって、本当にありがたかったです。
この本を見て作ってくださった方がレポート投稿してくださることもあって、本から広がっていることを実感しています。月2回開催しているお粥ランチも、また違った目で見てもらえるようになりました。ただ単にお粥ではなくて、薬膳とか健康を体験しに来てくださるようになりました。
出版が自信になり、次の展開へ
―本も出して、これからの展開はどんな風にお考えですか?
本を出したことで一つやったぞと自信になりました。本の中に自分がやっていること、将来作りたいお店のこと、2016年にお店を出すことが目標であることを書いたので、今はお店づくりの方に気持ちが向かっています。周りからも「2016年に店を出すんだね」と言われるようになりましたので、実現に向けて頑張っていきます。