ペットフードを一切使わず、人間グレードの食材で愛犬のご飯を手作りされているワンズジョワさんを再び訪問しました。
出汁の優しい風味で作られたご飯を食べるようになって、ワンちゃんの情緒が安定し、胃腸の調子も整った。
その実体験から「この食事をもっと多くのワンちゃんに届けたい」と起業を決意された方なんです。
今はそのご飯をレトルト化して販売されていて、さらに事業を広げるべく、大阪府の経営革新計画の申請に向けた事業計画書を一緒に作っているところです。

コンサルの仕事って、実はとんでもなくお得な仕事なんです。
私自身、犬を飼ったことはありません。食品を製造・販売したこともない。
でも今日、ペットフード業界のこと、人間グレードの食材を滅菌状態で加工するプロセスのこと、たくさん教えていただきました。
普通に生きていたら、絶対に知らなかった世界です。
これ、コンサルタントという仕事のいちばんの「役得」だと思っているんです。
たとえば、ここ数ヶ月でお手伝いした方々を思い返すと——
和歌山でカフェを開きたいという方。
調べていくと、熊野古道を訪れるヨーロッパ系インバウンドが急増していて、観光客数がすごいことになっているんです。
そんなリアルな地域事情、普段は絶対に知りえません。
ヨガスタジオを運営されている方。
ヨガを受けているのはどんな人たちか、キッズ向け運動指導の現場でどんな工夫がされているか、生々しく教えてもらいました。
障害者施設を運営されている方。
施設の収益構造、国の保険制度の仕組み、利用者さんをどうやって集めるか——福祉業界の裏側を、これほど詳しく聞ける機会は他にありません。
介護関連の事業計画をお手伝いしたときは、「介護離職」の現実を深く知りました。
介護のために働き盛りの人が仕事を辞めなければならない。
でも支援制度は山ほどあるのに、本当に必要な人には情報が届いていない。
しかも介護は突然やってくるから、調べる暇すらない——そんな切実な現実を知りました。
そして、事業計画書を作っている期間、私の頭の中はその事業者さんのことで占領されます。
約2週間、ずっと頭の片隅で「介護事業者だったら」と考え続けるんです。
気づけば、まるで自分がその事業をやっているような感覚になっている。
今日だって、ワンズジョワさんのワンちゃんのことを帰り道もずっと考えていました。
「このコの喜ぶご飯ってなんだろう」「もし自分がペットを飼っていたら、どんな気持ちになるんだろう」って。
これって、疑似体験ですよね。
人は一度きりの人生しか生きられない。
でもコンサルタントという仕事は、お手伝いした事業者さんの数だけ、「もう一人の自分」を想像させてくれる。
カフェをやっていたら、どんな自分だったろう。
ペットのご飯を作っていたら、どんな毎日だったろう。
介護の現場に立っていたら、何を感じていたろう——。
リスクなしで、いろんな業界に「いっちょかみ」させてもらえる。
それが私のコンサルタントとしての、密かな楽しみです。
そして、そういう事業を立ち上げてきた方たちには共通点があります。
ペットが大好きで、愛するワンちゃんに美味しいものを食べさせたいという想い。
自分自身が親の介護を経験して、制度の歪みをどうにかしたいという怒り。
障害者のご家族として、同じ悩みを抱える人を助けたいという切実さ。
みなさん、「好き」や「経験」や「悩み」を、事業に変えてきた方ばかりなんです。
そのストーリーを一緒に言語化して、事業計画という形に落とし込んでいく——それが私の仕事です。
あなたの中にも、きっとそんな「価値になる何か」があります。