先週、あるイベントで思いがけず胸を打たれました。
会場で流れてきた「声」を聞いた瞬間、私の中に何かがストンと落ちた感覚がありました。
それはAIが生成した声だったのですが、単なる技術デモではなく、病気で声を失った方が、自分の言葉を、自分の声で届けた瞬間でした。
LED関西──14年続く、女性起業家のエコシステム
参加したのは「LED関西 女性起業家応援プロジェクト」のスタートイベント。
実はわくらくは、この取り組みの初回からサポーター企業として関わっています。
もう14〜15年になりますね。
LED関西というのは、起業している女性や起業を目指す女性が、自分のやりたいことをビジネスプランに落とし込んで発表する場です。
そこに関西の銀行、市町村、マスメディアといった支援団体が集まり、「一緒に育てていきましょう」というスタンスで伴走してくれます。
14年も続いてくると、卒業生がずいぶん増えてきました。
その卒業生たちがアンバサダーとなって、次の世代の起業家のメンターになったり、仕事を一緒に手伝ったりする。
このイベントを通じて法人化した方、事業が大きく広がった方も続々と誕生しています。
先輩が後輩を育て、また後輩が先輩になっていく──女性起業家のエコシステムが、着実に育っています。

AIが声を取り戻した、その瞬間
今年のスタートイベントで私が一番心を動かされたのは、卒業生の華やかな実績発表でも、魅力的なビジネスプランでもありませんでした。
プロジェクトの責任者の方のご挨拶、その場面でした。
その方は喉の病気を患われて、ご自身の声が出なくなっておられたのです。
でもその日の挨拶は、ちゃんとその方の声で届きました。
事前に収録していたご自身の声をAIに学習させ、原稿を読み込ませて、AIが生成した声で挨拶されたのです。
「こういうことができるよ」という話は聞いたことがありました。
生成AIでできることが広がっているというのも、頭では理解していました。
でも目の前でそれが起きた瞬間、まったく別の感触として私の中に入ってきたんです。
声を失っても、人前で挨拶ができる。
自分の意思を伝えられる。
コミュニケーションの場に立てる。純粋に感動しました。
生成AIの「本当の可能性」に、視野が広がった
私たちが日々使っている生成AIといえば、文章を作る、画像を生成する、業務を効率化する、そのあたりが中心ですよね。
もちろんそれも十分に価値があります。
一方で、他者の音声を無断で使った二次創作や著作権の問題など、使い方をめぐる課題が生まれているのも事実です。
でも今回目の当たりにしたのは、それとはまったく違う次元の話でした。
テクノロジーが、人が失ったものを取り戻す手助けをしている。
去年の万博でも最先端の技術に触れることができましたが、実際に自分がその場に居合わせると、受け取り方がまるで違います。
私たちが使っているのは、生成AIというとてつもなく大きな可能性のほんの一角に過ぎない。
視野を広げると、人間が豊かになるための使い方が、まだまだたくさんある。
そんなことを、実感した一日でした。
LED関西、今月から募集開始です!
さて、そのLED関西ですが、今月から参加者の募集が始まります。
このプロジェクトの特徴は、ただ発表するだけではなく、発表するまでのプロセスがしっかり設計されているところです。
事業計画を作るためのセミナーや勉強会が充実していて、自分のビジネスプランをブラッシュアップしていく機会もあります。
「なんとなくこういうことをやりたい」という段階の方でも大丈夫です。
ビジネスプランコンテストって、頭の中のふわっとしたアイデアを「事業計画」という形に落とし込む、絶好の機会になるんですよね。
しかも、エントリーすると無料相談窓口やサポート体制が使えます。
経営コンサルタントに相談したら何万円もかかるような内容が、こういう機会を通じて受けられるのですから、活用しない手はありません。
何かやりたいことがある。でもどう形にすればいいかわからない。
そんな方は、ぜひLED関西の勉強会への参加から始めてみてください。
テクノロジーは、できることを増やすだけじゃない。失ったものを取り戻す力にもなる──そのことを教えてくれた一日でした。