話し方を磨く前に、椅子を変えた話

2026/08/27

先日、椅子を買いました。

それだけの話なのですが、私にとっては

「コミュニケーションって、こういうことか」

と目からうろこの出来事がありました。

こちらの椅子を買いました。

椅子を買った時のエピソードはこちらです。
インテリアコーディネーターさんに選んでもらいました。
情報があふれる時代だからこそ、「プロの眼」に頼る価値がある女性経営者を応援わくらく 〜椅子ひとつの買い物から気づいた、専門家の本当の仕事〜 昨日、リビングの椅子を買い替えました。24年ぶりの椅子、ついに更新しました(笑)「ついに」というのは、なんと24年間同じ椅子を使い続けていたから。 会社を退職して寮を出て、初めての一人...
 

 

まず、その椅子は視界に入った瞬間に気持ちが上がる。

私はどうやら視覚情報がかなり優位な人間らしく、目に入るだけでテンションが変わるタイプです。

 

面白かったのは、私ではなく相手のほうでした。

時々うちに来るパートナーが、椅子が変わってから明らかにリラックスしているのです。

食後などは、このまま寝てしまうんじゃないかというくらい。

座面はもちろん、肘掛けの部分がゆるくアールを描いていて、触り心地がいい。

「これ、触ってると気持ちええな」と言ってます。

座るための道具だと思っていたものが、好きな姿勢を支え、手のひらに安心を渡している。

 

そして、相手の状態がいいと、こちらの話もよく通る。

関係性が、早い話がよくなるのです。椅子ひとつで。インテリア、侮れません。

 

私は「目」と「鼻」の人だった

空間づくりにはもともとこだわりがあります。

まず明るさ。

ランチのお店選びでも「窓が大きいところ」と主張し続けていますし、今のオフィスも大きな窓と光の入り方で決めました。

光が入ると人は前を向けるし、空が見えて広がりがあると、未来のビジョンを描くときの思考まで広がる気がするのです。

 

逆に窓のない部屋や地下は、親密さが増して、内緒話や心の暗い部分を出すにはむしろ向いている。

ただ、うちは未来をつくる会社なので、広がりのほうを選びました。

 

香りも同じです。アロマセラピストから始まったこともあって、前の事務所ではエレベーターを降りた瞬間にお香が香るようにしていました。

「あ、わくらくに来た」と体で感じてもらう仕掛けです。

今も自宅の玄関で朝にお香を焚いています。ここからは外の世界とは違う、という合図。

 

見落としていた、第三の感覚

視覚と嗅覚は意識していたのに、触覚はまるでノーマークでした。

体に触れているもの、手のひらが乗っているものが、その人の状態をこんなに左右するとは。

しかも人によって効くチャンネルは違うわけで、誰かにとっては光より香りより、椅子の肌ざわりが一番なのかもしれません。

 

私たちは「この人といい関係を築きたい」と思ったとき、何を話そうか、どう見られようかと考えがちです。

トークスクリプトを整え、身なりを整える。

もちろん大事。

でもその手前に、相手がホッとできる場をつくるという工程がある。

そこが整うと、驚くほど深いところまで話が届くし、お互いに思いやる余白が生まれます。

 

コミュニケーションの大半は、言葉になる前にもう始まっている。

相手の背中を受け止めているのは、あなたの言葉ではなく椅子かもしれないのです。

 

座ってみてください

ちなみに買ったのはマルニ木工さんの椅子で、本町にショールームがあります。

「座らせてください」と言えば座らせてもらえますので、気になる方はぜひ足を運んでみて下さい。

 

私は、どうすれば相手がリラックスできるか、いいパフォーマンスを出せる状態になれるかに、しつこいくらい興味があります。

言葉だけでなく、体からのアプローチも含めていろんな角度から検証したい。

今回はその実験を、椅子のほうが先に教えてくれました。

 

あなたのオフィスやサロンで、お客さまが最初に触れるものは何でしょうか。
案外そこが、一番よく喋っているかもしれません。