起業しようかな、副業始めようかな——そう思った瞬間、頭の中に浮かぶのはワクワクよりも先に
「でも、お金は?」
「でも、知識は?」
「でも、ひとりで大丈夫?」
という不安ではないでしょうか。
実はすでにあなたの背中を押してくれる仕組みが、街のあちこちに静かに待っているんです。
スモールビジネスの人にこそ知って欲しい支援制度を紹介します。
支援者同士は横のつながりを持っている
先日、大阪府の創業支援者ネットワーク会議に参加してきました。
これは、大阪府・大阪市・吹田市・茨木市などの自治体、大阪商工会議所、金融機関、そして私のような民間の支援機関が年に3回ほど集まって、情報交換をしたり最新トレンドを学んだりする場です。

今回のテーマは「学生起業」。
近畿大学からは年間100社もの学生起業が生まれているそうで、その多彩さに思わず前のめりになりました。
学食の中で学生がラーメン屋を運営し、毎年プレゼンで「今年の店主」を決める仕組みがあるなんて、想像するだけで楽しくないですか?
インフルエンサーの着用服をフリマ販売するシステムを立ち上げた学生、「サウナが好きすぎてオリジナルサウナを作って売る」という学生まで。
中途半端な経験が無いからチャレンジできる、そんな強さを感じました。
この会議では、各支援機関同士が顔を合わせて情報交換を行っています。
500万円の補助金、知っていましたか?
「公的機関」と聞くと、なんとなく敷居が高そう、お役所っぽくて相談しにくい、そんなイメージがある方も多いと思います。
でも実態はまったく違います。
たとえば大阪府では、新しいことにチャレンジする人を対象に最大500万円を補助する制度があります。
私自身も去年、お茶を使ったお菓子の開発で大阪府の補助金を活用させていただいて、研究開発費やパッケージ開発費の半分を補助していただきました。これ、使わない手はないですよね。
吹田市には、新しくお店を始める方に向けて家賃を最長1年間、半額補助してくれる制度もあります。
実際にその制度を活用して、焼きたてフィナンシェのお店を開いた女性がいます。
「フィナンシェが大好きだから、食べられるお店を作りたい」
その一心でプレゼンをして、夢を現実にした方です。好きなものがそのままビジネスになる、こんなに素敵なことはないですよね。
さらに、商工会議所のコンサルティングを4回受けると、会社設立費用が半額補助される制度まであります。
こんな制度がいくつも存在しているのに、必要な人に届いていない。
これは、支援に関わる私自身がもどかしく感じていることでもあります。そして公的機関の担当者さんたちも、まったく同じ思いを持っているんです。
まず、どこに行けばいいの?
そうは言っても、「市役所はちょっと行きにくい…」という方、正直いらっしゃいますよね。
わかります。そんな方にまず強くおすすめしたいのが、男女共同参画センターです。
大阪ならクレオ大阪(複数館あります)、吹田・豊中にも拠点があり、東大阪にはイコーラムがあります。
こういった施設には、人当たりのよい相談員さんが常駐していて、
「アクセサリーを販売してみたい」
「副業を始めたい」
といった、まだぼんやりした段階の相談でも丁寧に話を聞いてくれます。
しかも無料です。 「どんな制度があるか」「次にどこへ行けばいいか」
そういった道案内も一緒にしてもらえるので、まず最初の一歩として最適な場所です。
ある程度事業が進んでいて、「ここからもう一段上に行きたい」という方には、よろず支援拠点がおすすめです。
大阪・京都・兵庫など各都道府県に設置されていて、事業計画書を見てもらったり、ステップアップのアドバイスをもらったり、必要に応じて金融機関を紹介してもらったりすることができます。
こちらも無料です。
「仲良くなる」が最強の戦略
ここで、もう一つ大切なことをお伝えしたいと思います。
公的機関は「相談したら終わり」の場所ではありません。
担当者さんと顔なじみになっておくこと。
これが実は最大の活用法かもしれません。
新しい補助金や支援制度が出たとき、
「あの人に合いそうだ!教えなきゃ!」
と、メールや電話で連絡をくださるんです。
私自身も、商工会議所の担当者さんと仲良くなっていたおかげで、融資の際にとても有利な制度を「わざわざ電話で」教えていただいたことがあります。
情報は、人と人との関係の中を流れてくるものだと実感した瞬間でした。
講演会は「無料の刺激」の宝庫
公的機関のもう一つの魅力が、著名人や先輩起業家の講演会を数多く開催していること。
しかもほとんどが無料か格安です。
私はこれまで、商工会議所の講演で星野リゾートの星野社長や安藤忠雄さんのお話を直接聞く機会をいただきました。
安藤忠雄さんは90歳近いのに、エネルギーがあふれていてパワフルで、「若い!」「柔軟!」という感覚が全身から伝わってくる。
それは本やテレビでは絶対に感じられないもので、同じ空間を共有することで初めて受け取れる何かがあると思っています。
大阪でいえば、食品ロス削減事業「ロスゼロ」を経営する文美月(ぶん みつき)さんの講演もぜひ聞いてほしい一人です。
子育て中に自宅のパソコン一台でネットショップを立ち上げ、48歳で食品ロス削減という社会課題に挑む事業を起こされた方。
その言葉には説得力と温かさがあって、話を聞くと不思議と「私もできるかもしれない」という気持ちになれるんです。
公的機関の活用は、決して「困ったときの駆け込み寺」ではありません。
起業前から、起業中も、そして次のステージへの飛躍の場面でも、ずっとそばにある伴走者です。
制度を知ることで出費を抑え、人とつながることで情報を得て、講演に参加することで刺激をもらう。
そのすべてが、あなたのビジネスをじわじわと、でも確実に後押ししてくれます。
副業を考えているあなたも、起業を夢見ているあなたも、すでに走り始めているあなたも
まずは一番近くの男女共同参画センターやよろず支援拠点の扉を、ちょっとだけ開けてみてください。
わくらくでは、こういった制度活用のサポートも行っています。ご相談はお気軽にどうぞ。