「それはちがう」と言える場所は、意外と少ない

2026/09/05

昨日、私が参加している働く女性のコミュニティ「サクヤ ワーキング コミュニティ(SWC)」で、大阪府・大阪商工会議所との共催イベントを開催しました。

 

終わってから一番強く残ったのは

「意見が違っても、それをそのまま口に出して話し合える場って、実はすごく贅沢だな」

という感覚でした。

 

会社を越えて、ロールモデルになり合う

SWCは、会社や組織を越えて働く女性同士が情報交換をしたり、一緒にイベントを企画したり、ときには遊びに行ったりしながら、長く付き合える仲間をつくろう、お互いがロールモデルになれる関係をつくろう、というコミュニティです。

 

メンバーは大林組さん、森永製菓さん、リーガロイヤルホテルさんなど、いろいろな企業にお勤めの方。

そこに私のような事業主も混ざっています。

月1回の定例会のほか、キャンプが得意な人が立ち上げたキャンプ企画、お茶のお稽古、カラオケ、そして「定年後の働き方を考える」チームまである。

学びと遊びが同じ棚に並んでいる感じが、私はとても好きです。

 

そのSWCが年に1回、一般の方も参加できるイベントを開催しています。

テーマは働き方や多様性について、みんなで考えて自分の意見を整理してみましょう、というもの。

5月ごろから「どんな会にする?」と話し合ってきて、今回選んだのが「ジレンマゲーム」でした。

 

AもBも正しい、でも決めなければいけない

ジレンマゲームは、AとBのどちらも悩ましくて、正解がない。

それでも選ばなければいけない——そんな問いに向き合って、自分が何を考えたかをグループでシェアするゲームです。

人生、こういう場面ばかりですよね。

 

当日出したお題そのものはお話しできないので、企画段階で没にしたネタでご紹介します。

 

同僚が限界ギリギリで働いている。あなたはどうしますか。
Aは「しんどいんちゃう? 話聞くよ、手伝おうか」と直接声をかける。
Bは相手のプライドを尊重して、そっと見守るにとどめる。

 

私はどっちも「わかる」と思ってしまいました。

 

面白いのは、4つの問いすべてで、だいたい2対2、3対1くらいに分かれるんです。

そして選んだ理由を聞くと、

「私は人に迷惑をかけたくない気持ちが強いんだと気づいた」

という自己発見が出てきたり、

「部下のことを考えすぎて、組織全体という視点が抜けていた」

という、新しい視点が出てきたり。

 

自分の答えを言葉にすると、自分が何を大事にしているかが輪郭を持つ。

他人の答えを聞くと、その輪郭が「唯一の形じゃなかった」とわかる。

この二段構えが、このワークのいいところだなと思いました。

 

「聞く体勢」は、場が作ってくれる

今回はカードを使って「意見を共有しましょう」という設計だったから、参加者全員が最初から違う意見を聞く体勢になっていた。

だから安心して「私はB」と言えた。

 

でも実生活はどうだろう、と。

「困っている同僚がいたら声かけるのが当然でしょう」

と誰かが強い調子で言ったとき、

「いや、ここは見守った方がいいと思う」

ってすぐに言えるでしょうか。

 

最初に大きな声を出した人がいる場で、反対意見を出せる空気ってあるでしょうか。

 

私はここに、経営者としてもドキッとしました。

声をかけ続けることが大事だという人もいる。

自分で気づくことが成長だし、心配されることをプレッシャーに感じる人もいるから見守る、でも本当に困ったら手を差し伸べる、という人もいる。

どちらも誠実な考え方です。

 

問題は意見の中身ではなく、違う意見が出てこられる設計になっているかどうか。

「聞く体勢」は個人の善意より、場の作り方で決まる。

小さな組織の中でそれをどう用意するかは、けっこう本気で考える価値があるテーマだと思っています。

 

運営を分け合うと、人の仕事が見える

もうひとつ、運営に変わったことで大きな収穫がありました。

 

今回のイベントは、名簿をまとめる人、大阪府や商工会議所とやり取りする人、というふうに、それぞれが役割を持って進めました。

すると、他の人の仕事の進め方が見えるんです。

 

「この人、めちゃくちゃ仕事できる人やん」と唸ったり、「そのツール、そんな使い方あるんですね」と教えてもらったり。

会社員をしていると社外の友達ってなかなかできないと聞きますが、一人で事業をしている私も同じで、隣の人の段取りを見る機会は放っておくと一生訪れません。

一緒に何かを作ると、そこが自然に開く。

 

意見が違っても話し合える場所。

自分の傾向に気づける場所。そして、人の仕事ぶりを間近で見られる場所。

 

そういう場を、自分のためにも、わくらくに関わる方々のためにも用意し続けたいなと、あらためて思った昨日でした。