靴は、その靴にふさわしい場所に連れて行ってくれる
2026/08/04私は基本的にハイヒール。それも7センチ、9センチのピンヒールです。
お菓子の販売に立つ日はさすがにスニーカーですが、それ以外はほぼヒール。
「よく歩けますね」と驚かれるのですが、ヒールで本町から難波まで歩けます。
徒歩30分くらいは歩けます。

靴は、映っていなくても写っている
あるカメラマンさんとお話ししていて、なるほどと膝を打ったことがあります。
バストアップ、つまり胸から上だけを切り取る写真でも、ハイヒールを履いているときとぺたんこ靴のときでは、写り方がまるで違うのだそうです。
靴はフレームの外にいるのに、ちゃんと写っている。
背筋の伸び方、肩の落ち方、首の角度。
全部つながっているんですね。
だから撮影の日は、たとえ足元が一切映らないと分かっていても、私はヒールを履いていきます。
見えない部分が見える部分をつくる、というのは、事業でもよく聞く話ではありませんか。
きっかけは、同世代の女性社長でした
もともとは卑弥呼など日本のブランドを履いていました。
インポートの靴なんて、価格も違えばデザインも華やかすぎて、
「これ、私が履けるものかしら」
と半歩引いていたんです。
変えてくれたのは、心斎橋でインポートシューズを扱っておられる靴屋さんとの出会いでした。
同世代の女性社長。最初は「応援したいな」という、ほとんど下心のない気持ちで通い始めたのに、気づけばすっかり自分が育てられていました。
応援しに行ったつもりが、応援されて帰ってくる。
女性経営者同士のお付き合いって、だいたいこうなりますよね。
靴を自分の足に合わせてメンテナンス
みなさん、自分の足にぴたりと合う靴に出会えていますか。
幅広、甲高、あるいはぺたんこ。
足の形は本当に人それぞれで、「痛いけど我慢して履く」か「デザインは今ひとつだけどこれしか合わない」かという状態になりがちです。
その靴屋さんで
「かかとが少し抜けます」
「歩きにくいです」
とこぼしたら、その場でお直しをしてくださいました。
ソールを入れ、かかとにクッションを足し、私の足に合わせてくれる。
靴に足を合わせるのではなく、靴を自分の足に合わせてもらうもの。
靴屋さんとは、お付き合いするもの。
この発見は、それなりに大きな学びでした。
プロに正直に不具合を伝えられるかどうかで、手に入るものが変わる。
税理士さんでも、デザイナーさんでも、同じことが言えると思います。
リフト交換に行って、なぜか新しい靴を持って帰る
ピンヒールはリフト(かかとのゴム部分)がすぐ減ります。
そのお店では、購入した靴ならリフト交換は無料。
ありがたく、定期的に持って行くわけです。
交換にかかる時間は10分か15分。
ところがその待ち時間に「新作、入りましたよ」と声がかかる。「これ履いてもいい?」「あ、こっちも」。
修理に行ったはずが、なぜか一足増えて帰ってきます。
あの頃はずいぶん靴に投資しました。
今思えば、あれは販売戦略として完璧でしたし、私は喜んで通っていました。
ピンヒールは体幹トレーニング
扱っておられたのは主にスペインやイタリアの靴。
靴の文化が長い国のものは、フォルムが本当に美しくて、履かずに飾っておけそうなくらいです。
「ピンヒールって不安定でしょう」
と言われますが、良いものは重心の設計が驚くほど緻密で、むしろ体の使い方を教えてくれます。
おかげで体幹が鍛えられた気がしています。
本町から難波まで歩けるのは、たぶんそのおかげです。
とはいえ、履き始めたのは30代。
40代、50代と重ねるうちに足の力が落ちていることは感じます。
それでも目標は決めていて、80歳になってもピンヒールを履いている人でいたい。
靴は、ふさわしい場所へ連れて行ってくれる
靴には、その靴にふさわしい場所へ人を連れて行く力があるそうです。
おしゃれな靴を持てば、おしゃれな場所に行く機会が増える。
「ちょっと高かったな」という一足があれば、その靴を履くにふさわしい予定を、自分で作りにいくようになる。
順番が逆なんですよね。
ふさわしい場所ができたから靴を買うのではなく、靴が場所を呼んでくる。
これは事業のステージを上げたい方に、けっこう本気でおすすめしたい考え方です。
ここ5年ほどは、オンラインで買うことが増えました。
YOOX(ユークス) は、ヨーロッパをはじめ世界中のブランドを直輸入で扱っているサイトです。
百貨店で買うより3分の1ほどで手に入る印象で、私は欲しいものをチェックしておいて、セールやクーポンが出た瞬間に、すかさず。
日本人の足に合いやすいと感じるブランドは アルバノ(ALBANO) と ジャンニマーラ(GIANNI MARRA)。
それから、アメリカの ロックポート(ROCKPORT)。
男性のビジネスシューズの印象が強いかもしれませんが、「走れるパンプス」をコンセプトにしたヒールがあって、クッションがしっかりしています。
私の足には型が合うので、シンプルなヒールはここで買うことが多いです。
YOOXは送料無料で返品ができるので、知人は23.5と24を両方注文して、合うほうを残して片方返す、という買い方をしていました。
私はもう「アルバノなら37」と分かっているので、同じブランドならサイズで失敗することはほぼなくなりました。
ブランドごとに自分のサイズを知っているというのは、地味ですが強い財産です。
今日は靴の話でした。足元が決まると、不思議と一日の姿勢まで決まります。
みなさんのおすすめのブランドや靴屋さん、ぜひ教えてください。


