忘れていた夢を、覚えていてくれた人がいた
2026/08/05
昨日はGalaxyBooksの加戸社長とランチ。
夢って、口に出した瞬間から、自分の手を離れてどこかで勝手に育っていくものです。
しかも、聞いてくれた人の心の中で。
私自身が忘れかけていた夢を知り合いがずっと応援してくれていたエピソードを紹介します。
「癒しの仕事っていいな」で始めた、無謀な起業
私の最初の起業は、アロマとネイルのサロンでした。
アロマのスクールに通って、「癒しの仕事っていいな」という、今思えばかなり軽やかなノリです。
正直に言うと、当時は会社が嫌で嫌でたまらなかった。
会社生活ですっかり自信をなくしていて、逃げ出したかったんですね。
そんなときに手にしたアロマとネイルの資格は、私にとって「新しい道が開けた」と思える光でした。
ただ、経営も営業も何ひとつ勉強しないまま店を開けたので、それはもう、大変でした。
お客さまが来ない。何もできない時間が続きました。
暇だった私が始めたのは、果実酒づくり
その頃ハマっていたのが果実酒でした。
梅酒、りんご酒、コーヒー豆を漬けたコーヒー酒。
調べるといろんなものが漬けられるんですね。
そして果実酒って、仕込んでから飲み頃まで三ヶ月とか半年とかかかります。
お客さまが何人になっている、企業さんとお取引ができている、売上がいくらになっている。
そんな願いをラベルに書いて瓶に貼り、次々と仕込んでいきました。
台所のシンクの下は、私の夢の貯蔵庫になっていったわけです。
熟成が先か、目標達成が先か。もう願掛けです。
「今、果実酒をつけているの」
その頃、会社員時代の同僚や後輩がぽつぽつ遊びに来てくれていました。
これが本当にありがたかった。
そのとき、この果実酒の話をしました。
これが実現したらこの瓶を開けようと思ってる、果実酒が熟成するのと私の目標が叶うの、どっちが先やろうね、と。
その中のひとつに、緑茶酒がありました。お茶の葉と焼酎を漬けたもの。
ラベルに書いたのは、「自分の事務所を持つ」。
当時の私は、深く考えずに書いていました。ただの願望のひとつとして。
そして私は、すっかり忘れた
その後、サロンはうまくいかなくなり、アルバイトもしました。「わくらく」の立ち上げでバタバタもしました。
そして三、四年が経った頃、私は長堀橋に自分の事務所を構えました。ようやく、自分の場所を持てた。
嬉しくて、ブログに書きました。
一週間後に届いた、ふたつのグラス
一週間ほどして、会社員時代の後輩からバカラのロックグラスがふたつ届きました。
添えられたメッセージには、こう書いてあったんです。
「三根さん、あのとき果実酒に書いてた夢、叶いましたね」
私、忘れていました。完全に。シンクの下の緑茶酒のことも、そこに書いた願いのことも。
でも彼女は、覚えていてくれた。
彼女はその後東京に転勤になって、会う機会もほとんどなかったんです。
それでもずっとブログを見てくれていて、
「三根さん、いつか事務所を持つだろう」
と、楽しみにしてくれていた。
自分の夢を、自分より長く覚えていてくれた人がいた。胸が鳴りました。
夢は、話した時点で相手の中でも動き出す
事務所を持ちたい。こんな仕事がしたい。本を出したい。資格を取りたい。
そういう願いを口にするとき、私たちはたいてい「自分のために頑張ろう」と思っています。
でも、話した時点で、実はもう、聞いた人の中でもそれは動き出しているんですよね。
だからそれを実現するというのは、聞いてくれた人の思いを実現することでもある。
私が自分のやりたいことをあちこちで話すのは、そのほうが応援してもらえるから、というだけではありません。
みんなが応援してくれているという実感があるから、踏ん張れるんです。
自分が忘れているときでさえ、誰かの思いが私を前に引っ張ってくれていた。
あのグラスが教えてくれたのは、そういうことでした。
「誰かを元気にしたい」と願っている方は多いと思います。
でも実は、自分が達成したいことに集中して、それをやり遂げる。
ただそれだけで、周りはものすごく元気をもらっているんです。
そして「あの人、実現されたんだ」と思うことで、私もまた頑張れる。
この話、十年前に出した電子書籍に書いていました。
そしてこのエピソード自体も、私はまた見事に忘れていたんです。
ばりぃさんがAmazonのレビューに書いてくださって、ようやく思い出しました。

こうやって、人との関わりの中で自分にとって大切なことを思い出すことができますね。



