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補助金審査員の裏話

2023/02/26

ビジネスプランコンテストや、市町村が企画している補助金の審査員のお仕事をいくつか引き受けています。


ビジネスプランコンテストや補助金審査員と聞くと、どんなイメージでしょうか?

自分が審査される側の立場の時は、厳しそうな人に見えるかもしれませんね。



審査する時は、項目が細かく決められていて、事業計画を見ながら各項目の点数を付けていきます。

例えば、小規模事業者持続化補助金では、審査項目が次のように決まっています。


 

①自社の経営状況分析の妥当性

○自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。


②経営方針・目標と今後のプランの適切性

○経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。

○経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。


③補助事業計画の有効性

○補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。

○地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成する

ために必要かつ有効なものか。(共同申請の場合:補助事業計画が、全ての共同事業者における、

それぞれの経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要か。)

○補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。

○補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。


④積算の透明・適切性

○補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。

○事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

 

(ちなみに私は、小規模事業者持続化補助金の審査員ではありません。こちらの項目は公募要項に載っています。)


審査員の心のうち

私が審査を担当するのは創業関係の補助金が多く、これから事業を始めるところなので、夢や想いはあるけど具体性が弱いというパターンをよく見ます。

まだ、起業してないので見えてないところも多いよねぇ。。。

というのが本音です。


起業前に完璧なプランを作るなんて難しいですし、完璧なプランを作ることに時間を要するくらいなら70点ぐらいの出来でテストマーケティングを行ってブラッシュアップを繰り返す方が、成果は早いです。


完璧なプランなんて無理!

という事を重々承知した上で、事業計画書と向き合ってご本人が積み上げてきたものや熱意を読み取ります。


かなり大まかですが、私が審査する時の感覚は次のような感じです。

  • 計画の完成度が高かったら、それはOK
  • 計画の完成度が低くても、現場で創意工夫できる素質を見つけたらそれもOK
  • 計画の完成度が低くて、かなり危なかしいと思ったら、もう少し考えましょうと促す


補助金の審査なら、正直な所、皆さんに補助金を活用してチャレンジして欲しい。

でも、この状態で突っ走ってしまったら怖いと感じた時は、

「もう少し考えて、計画を練り上げましょう」

という意味で厳しい採点をします。


私が審査でご一緒する先生方は、上手くいった例も、失敗した例もたくさん知っておられるからこそ

「この人の人生にとって、今、進むのか良いのか」

という事を考えながら採点されています。


ビジネスプランコンテストや補助金の審査、応募する方も大変ですが、審査する方も泥臭く人間臭くやっているんです。


ビジネスプランコンテストや補助金申請のコツ

公募要項に審査基準が明記されています。

審査項目に対する内容を応募用紙の中に書いているか確認しましょう。

そして、ご自身がこの事業をやる意味を審査員に伝わるように、言葉にして下さい。

審査する方も、想いが詰まったプランに触れるとワクワクします。
そして、多くの方に起業して成功して欲しいと思って審査しているので、しっかり届けて下さいね。