ワインの木オーナーで日本ワインの楽しみができた

2026/07/26

昨日は、会社員時代の友人たちとワイン会でした。

仲間のひとりが梅田のマンションに住んでいて、パーティールームが使えるというので、飲み物とつまみを持ち寄ってわいわいと楽しみました。

場所代ゼロ、持ち寄りで豪華、大人の飲み会です。

 

でも実はこの会、集まる「口実」になったワインがあるんです。

 

日本ワイン、いつの間にかすごいことになっている

みなさん、最近の日本ワインって飲まれますか?

20年ほど前の日本ワインって、正直「甘ったるいなあ」という印象がありませんでしたか。

私はありました。ところが今、日本ワインの評価がぐんぐん上がっているんです。

 

理由のひとつが、温暖化。

ぶどうの産地がどんどん北上していて、かつてフランスで良いピノ・ノワールが穫れていたような気候条件が、いまや北海道にある、という話なんですね。

地球規模の変化を前にして「じゃあうちの畑をどうするか」と考えた人たちが、いま面白いものを作っている。

事業もまったく同じだなと思いながら聞いていました。

 

なかでも余市。ニッカウヰスキーの町というイメージが強いですが、実はワインにものすごく力が入っています。

転機は2011年、余市町が道内で初めて「北のフルーツ王国よいちワイン特区」として認定されたこと。

これによってワイン製造量の規制が緩和され、小規模な事業者でもワイナリーを開けるようになったんです。

制度がひとつ変わっただけで、ぶどう畑がどんどん広がり、若い造り手が移り住んでくる。町の風景そのものが変わっていったわけですね。

 

「ワインの木オーナー」になってみた

その余市にあるのが、オチガビワイナリー。

特区認定の翌年、2012年に設立されたワイナリーです。

新潟で20年以上ワイナリーを育ててこられた方が、次の挑戦の地として余市を選ばれた。

そう聞くと、余計に応援したくなります。

 

ここに「ワインの木オーナー制度」というものがあります。

 

11,000円を一度払うと、ワインの木のオーナーになれる。

すると年に1本、ワインが届く。それが5年間。

つまり11,000円で5本のワインがやってくるという仕組みです。

 

これ、面白いと思いませんか。

 

余市で「世界に誇れる日本ワインを作りたい」と本気で挑戦している人がいる。

そこに1万円ちょっとを出して応援する。

そして毎年「今年の出来はこうです」とワインが届く。

単なる買い物ではなく、5年間の物語を一緒に見せてもらう権利を買っている感じなんです。

 

面白がって飲み仲間に話したら、昨日の友人も「それ面白い」とオーナーになっていて、届いたワインをみんなで開けようというのが昨日の会でした。

しかも、もらえるワインはリストから選べるんですね。

私はワインの品種にそこまで詳しくないので、ほぼ勘で選んだのですが、全員かぶらず。あれこれ言いながら飲み比べる、これがまた楽しい。

 

応援すると、アンテナが増える

面白いのはここからで。

 

オーナーになった途端に、「今の日本ワインってどうなってるんだろう」と気になりはじめる。

「余市ってどこ? どうやって行くの?」と北海道の地理にまでアンテナが立つ。

ちなみにオーナーはワイナリーで無料で試飲ができるそうなんですが、3杯のために交通費いくらかかんねん、という話ではあります。……いや、たぶん行くと思います。

 

でも、これなんですよね。自分が応援している会社が北海道にある。

そこが世界を目指して夢を追っている。

関わりを持った瞬間に、そのニュースが「他人ごと」から「うちごと」に変わる。

結果として私自身の引き出しが増えて、こうしてブログのネタにまでなっている。

 

経営者として、ここが参考になる

私がこの制度に唸ったのは、味よりむしろ設計のほうです。

 

11,000円は、ワイナリーにとっては先にいただく運転資金。

お客様にとっては5年分の楽しみ。

そして双方にとっては、5年間つながり続ける理由になる。

しかも「オーナー」という呼び方ひとつで、買った人が応援団になり、私のように勝手に人に薦めはじめる。

広告費ゼロで、語ってくれる人が増えていくわけです。

 

もうひとつ見逃せないのが、2011年の特区という「外側の追い風」を、翌年きちんと事業に変えた人がいたということ。

制度は待っていても向こうから使ってはくれません。

補助金や特区、支援制度も同じで、情報を掴んで動いた人のところにだけ実がなる。

ここは私たちの仕事とも地続きだなと思います。

 

3〜5人規模のチームでも、これは真似できます。

値引きでリピートを作るのではなく、関わりしろを作る。

お客様を「買う人」ではなく「一緒に育てる人」にする。

そのために必要なのは大きな予算ではなく、「うちは何を目指しているのか」を言い切る覚悟なんだと思います。

夢を掲げているから、人は乗りたくなる。

 

自分の事業に、お客様が「オーナー」になれる余白はあるだろうか。

そんなことまで、思いが広がりました。