広告費ゼロで18年。「抱きしめたくなる体」をつくる人の、続け方
2026/09/25事業をステージアップさせた会員さんが、どんなピンチをどう乗り越えてきたのか。
そのプロセスを勝手に熱く語る「わくらく起業家ファイル」。
第3回は、プロボディデザインという新しい技術で18年間サロンを続けてこられた、美癒素(ミューズ)の植田稀紀子さんです。

稀紀子さんがわくらくに入会してくださったのは、18年前。サロンをオープンされる、まさに直前でした。
「どんな技術?」を突破した無料体験
プロボディデザインのキャッチコピーは「抱きしめたくなる体をつくる」。
女性の体をまるで粘土のように、くびれをつくったり、ふわっと丸みを出したりする、魔法みたいな技術です。
と言葉で説明しても、たぶん伝わっていないと思います。私も最初はそうでした。
ベッドに横たわって施術を受けて起き上がったら、ウエストがキュッとしていて、バストやヒップはふっくら女性らしくなっている。
履いてきたスカートがスカスカなんです。衝撃でした。
言葉にすればするほど「で、結局どんなん?」となる技術。
稀紀子さんが最初にされたのは、ご縁のあった方を無料体験にご招待することでした。
私も行きました。
会員さんもたくさん行って、そこで感動してそのまま定期的に通い始めた方が何人もいらっしゃいます。
馴染みのない技術だけど、受けてもらえば必ずわかる。
そういう商品を持っている人にとって、無料体験は最強の説明資料です。
技術に自信があるなら、言葉を尽くすより一回受けてもらったほうが早い。大
事なのは、その「受けてもらうきっかけ」を自分でつくりにいくことなんですよね。
「健康」ではなく「キレイ」で語る
稀紀子さんのプロモーションを長年見てきて思うのは、切り口の選び方が本当に上手だということ。
同じ体のケアでも、「健康」を前面に出すのか、「美容」を前面に出すのか。
女性の「きれいになりたい」という気持ちは、やっぱり強い。
いつまでもきれいに見られたい、このコンプレックスをなんとかしたい。
その願いはみんな持っています。
Netflixのドラマ『ダウンタイム』を観ていても感じたのですが、外見が変わると自信が持てる。
自信が持てると、新しいことに挑戦してみようとか、人が集まる場所に行ってみようとか、行動が変わる。
美容って、行動変容のスイッチなんだと思います。
いろんなサロンを見てきましたが、長く続いているところ、お客様が定期的に通われているところは、やっぱり美容の要素を前に出しておられる。
ここは切り口ひとつで結果が変わるポイントです。
空間もまた、商品である
稀紀子さんは空間へのこだわりも徹底しています。
サロンは何度か移転されていますが、毎回、タワーマンションの眺めのいいお部屋。
ドアを開けた瞬間に
「ここは私のための時間だ」
「自分を大切にしよう」
と思える空気が流れています。
きれいになる場所って、行くだけで癒される、ここで生まれ変われる、そう感じさせてくれる雰囲気が欲しい。
ファンが多い理由のひとつは、間違いなくここです。
しかも稀紀子さん、インテリアを自分で徹底的に調べて、センスよくまとめてしまう人。
その経験を活かして、これからサロンを開く方向けのコーディネートサービスまで展開されています。
自分のノウハウを、必要としている人に手渡す。「サロンを続けるための内装のコツ」が商品になるって、面白いですよね。
クラウドファンディングは「まず支援する側」から
起業10年目あたり。稀紀子さんは大きな挑戦をされます。クラウドファンディングです。
女性のバストの悩みって、実はとても多い。
特に出産を経験された方は、しぼんでしまった、そげてしまった、と。
でもそれをどこに相談していいかわからない。
お客様と向き合い続ける中で、稀紀子さんはその声をずっと受け取ってこられました。
女性がいつまでも堂々と胸を張って生きていけるように。
そんな想いでバストクリームを開発し、バストケアの講座やDVDをつくり、それを広めるために2018年、クラウドファンディングに挑戦されました。
ここで、私がいちばん「さすが」と思ったところ。
稀紀子さんは、いきなり自分のプロジェクトを立ち上げていません。
まず、自分が支援者としていろんなプロジェクトを応援するところから始めたんです。
支援する側に回ると、見えてくるものがあります。
この見せ方だと広がるな、この組み立てだとファンがつくな、スタートダッシュが命だな、目標達成後のストレッチゴールではこういう追加リターンを用意するといいんだな。
うまくいっている人を、お金を出しながら研究したわけです。
その上で、準備を徹底して本番へ。結果、スタートから約20分で目標金額を達成。初日で100万円以上、最終的には340万円を集められました。

初日に100万円集まると、それ自体がニュースになります。
周りが「え、まきちゃんすごい!」とざわつく。
勢いのあるプロジェクトには、応援したい、そこに関わりたいという人が自然に集まってくる。
クラウドファンディングは資金調達の手段であると同時に、認知を上げて応援者を増やす、極めて優秀なマーケティング手法なんですよね。
形のないものを売る人が、形のあるものを持つ意味
施術という「形のないもの」を提供してきた稀紀子さんが、クリームやDVDという「形のあるもの」を持った。
これが大きな転換点でした。
ひとつは、ブランド力の強化。
もうひとつは、自分が動いていないとき、休んでいるときにも売上が立つということ。
施術業の方にとって、これは切実なテーマだと思います。
ただし、形あるものなら何でもいいわけではありません。
稀紀子さんの商品が強いのは、信頼して通い続けてくださるお客様がいて、その方たちの悩みに何年も向き合ってきたからこそ生まれた商品だから。
その後、フェムケア(デリケートゾーンのケア)の商品も開発されています。
これも「安心して使えるものが欲しい」というお客様の声から。今では自社販売だけでなく、代理店を通じた展開もされています。
ちなみにバストクリームは今年リニューアルされて、私も愛用中です。
顔にもオールインワンクリームとして使えるので、旅行や実家に帰るときに化粧品を何本も持っていくのが面倒な私は、これ一本で済ませています。
ふっくらして、いいんですよ。

そして、私が支えてもらった話
稀紀子さんは会員さんですが、実際のところ、私のほうが支えてもらっています。
2年前、わくらくは20周年を迎えました。
実は私、記念パーティーなんてやりたくないと言っていたんです。
だって、やったのに誰も集まらなかったらどうしよう。
自分のために来てくださいと言うのも、なんだか気が引ける。
社員にも「パーティーはやらへん、代わりにセミナーやるわ」と宣言していました。
そう言っていたら、稀紀子さんが「絶対やったほうがいい」と。
「みんな手伝うから。会場の下見も一緒に行くから。絶対やろうよ」って、背中を押してくれたんです。
そこまで言ってもらえるなら、と腹をくくれました。
私自身が、会員さんに支えてもらっている。ありがたいなあと、今でも思います。
同時に思うのは、あのとき私が抱えていた弱気の気持ちも、「それでもやったほうがいいよ」と言う側の気持ちも、両方わかるということ。
だからこそ、誰かが動けずに立ち止まっているとき、そっとそばに寄り添える人でありたい。稀紀子さんと出会って18年、改めてそう思っています。
伝わりにくい技術は、まず体験してもらう。
自信があるなら、無料でも惜しくない
。認知を一気に上げたいときは、今までと違うやり方に挑戦する。そしてその挑戦は、うまくいっている人を研究してから仕掛ける。形のないものを提供している人こそ、形のあるものを持つとブランドが強くなる——ただし、お客様の声から生まれたものに限る。
最後にもうひとつ。稀紀子さんが挑戦されたのを見て、私も同じ年にクラウドファンディングに挑戦できました。うまくいっている人のそばにいると、準備の仕方も、流れも、成功のポイントも、体感でわかってしまう。 これが、身近な人と本気で関わることのいちばんの価値だと思っています。
今日は、プロボディデザインの植田稀紀子さんをご紹介しました。18年分の話したいことは、まだまだ山ほどあります。また次回。



