あなたは、どんなことに嫉妬しますか?質問の魔力

2026/09/23

連休中にゆっくり本を読む時間が取れました。

手に取ったのは、河田真誠さんの『質問の魔力 「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)。

 

帯にあるとおり、この本の主張はとてもシンプルです。

質問を変えただけで、変化が生まれる。

質問には、思考や行動を変える魔法のような働きがある。

売上が上がった、人間関係がよくなった——そんな事例が、これでもかと並んでいます。

河田さんは「問活(といかつ)」という質問力を高める活動を全国で展開されている方で、実践の蓄積がある方の言葉だなと感じました。

 

締めは何にされますか?

なるほど!と思ったのが、居酒屋さんの事例です。

ラストオーダーのとき、店員さんの声かけをこう変えたら売上が上がった、という話。

 

before「ラストオーダーです。何かご注文はありますか?」

 after「ラストオーダーです。締めは何にされますか?」

 

前者を言われたときの、あの心理。ありませんか?

「今から頼むのは申し訳ないな」って、なぜか思ってしまう。

お店は売りたいのに、こちらが勝手に遠慮して「あ、大丈夫です」と答えてしまう。

 

でも「締めは何にされますか?」と聞かれた瞬間、頭の中が切り替わります。

まだ頼んでいいんや、と思うし、そういえば締め何にしよう、と考え始める。

質問の形をしていますが、これは実質「締めは注文するもの」という前提を差し出しているわけですね。

ある意味、誘導です。

でも誰も損していない。お店は売上が立ち、お客さんは食べたかった締めにありつける。

 

よい質問には、人を動かす力がある。

この一例で、納得しました

 

私たち女性起業家も、けっこう「ご注文はありますか?」型の聞き方をしてしまっていないでしょうか。

「何かお困りごとはありますか?」

「ご興味あればどうぞ」。

相手を気遣っているつもりで、実は相手に遠慮する余白を渡してしまっている。

押し売りはしたくない、でも届けたい。

その板挟みの答えが、質問の設計にあるのかもしれません。

 

あなたは、どんなことに嫉妬しますか?

本書には、人を動かす質問だけでなく、視野を広げたりアイデアを出したりするための問いも紹介されています。

私がいちばん刺さったのがこれ。

 

「あなたは、どんなことに嫉妬しますか?」

 

正直に答えますね。知り合いが他の人のコンサルを受けて、売上がぐんぐん伸びていたら——私、ちょっと嫉妬します。

「そこ、私が手伝いたかったわ」と思う。

 

一方で、足がめちゃくちゃ速い人やスポーツ万能な人を見ても、まったく何も感じないんです。

うらやましいとすら思わない。

つまり私は、そこを目指していないということ。

 

嫉妬は、自分が何を大切にしているかの裏返しなんですね。

「私もそうなりたかった」が、感情の形をとって出てくる。

だとしたら、嫉妬は恥ずかしい感情ではなく、自分の欲しいものを教えてくれる矢印です。

この質問ひとつで、私は「人の成長に関わりたいんやな、私は」と、あらためて確認できました。

 

みなさんは、最近どんなことに嫉妬しましたか。

 

AIにも、よい質問を

もうひとつ、今の時代ならではの章がありました。AIとの付き合い方です。

 

生成AI活用のセミナーでいつもお伝えしていることと同じで、AIは、よい質問を投げかければよいアウトプットを返してくれます。

逆に、ぼんやり聞けばぼんやり返ってくる。

AIは相手の察してくれなさが徹底しているぶん、こちらの質問力が丸裸になる相手だとも言えます。

欲しい情報を得るためにどう聞くか、自分の思考を深めるためにどう対話するか。

この本はその部分にもページを割いていて、AIを使いこなしたい方にも実用的だと思いました。

 

こんな方におすすめ

課題解決やアイデア出しに行き詰まっている方、コンサルティングやカウンセリングなど人と関わる仕事をされている方には、特に効くはずです。
質問は、相手のためだけの道具ではありません。自分に投げかけたときにこそ、いちばん深いところまで届きます。

より深い話をするために、質問力を磨いていきたいですね。